『仏法と世法』 講述 和田稠

大谷専修学院機関紙 より

『仏法と世法』 講述 和田稠 聞思舎発行
一月一日、和田稠先生が浄土に還られました。この本は滋賀県の井川さんが聴聞の場を開き、井川さんから「仏法と世法」という課題をいただいてお話されたのが、小冊子になったものです。何度も耳にした言葉に活字となって再び逢えることを本当にうれしく思います。それはきっと和田先生その人を崇拝、恋慕しているのではなく、先生の願い、その願いを本という言葉にしてくれた先達、願いが私のところまで届いた、もっと言えば「今」届いた、そのことに涙がこぼれます。本の最後の短い「あとがき」には以下の言葉があります。
命がけでお話をして下さる先生の姿に頭が下がると共に、何ひとつ聞けていない私が問われ続けている毎日です。
これからも宜しかったら皆様と共に静かに命の叫びを聞いてまいりたく思います。

わけのわからないことを話しているオジジでした。ところが縁あってわからないながらも何度も聴いているうちに、念仏の教えが美しくおいしいことをはじめて知らされました。いつ聴いてもこころ動かされる言葉であることに出遇いました。和田先生の言葉は「浄土真宗です」「親鸞です」というブランド無くしてうなずいていけることです。
(宗教心とは)特別な心ではないんです。人間であるならば、ちょっと真面目に考えた ら誰でもが願わずにおれない確かな生き方への欲求、それを宗教心という。
「私は無宗教だ」という人がいます。それはたぶん、今流行っているあらゆる宗教を信じないと言うんでしょう。いわゆる既成宗教というものを全部信じない。それほどその人は痛切に本当の生き方を要求しておるのです。(本誌より)

得度して、大谷専修学院で生活し、教師資格を持ち、すっかりわかった気になっていた私に、「身」と「土」と「心」について、そして「くに」という問題、何か大きなもので殴られるような感動をおぼえながらオジジの言葉をいただきました。その尊いオジジの言葉が耳の底に留まって私をつき動かしているのです。
聞思舎 0740-25-2520

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